父親が入院して早8ヶ月。当初、年は越せないかも・・・と言われていたにもかかわらず、なぜか今も元気な様子。でも、それはきっと今の治療が体にあっていて、持ち前の気力で元気が維持できているだけで、気づかないスピードで少しずつ命が失われていってるんだろうと思う。
入院してすぐ、認知症のような状態になって、お見舞いに行ってもよくわからないこと言って私や母、看護師さんたちを相当困らせていたのに、今は頭はすっきり。入院前のようにはいかないけど、普通に会話ができて本が読めてラジオを聞けて、時々難しいこと考えてたりする。自分が死んでも地球は軽くならない、燃やされて気体になるから質量は変わらないんだ、とかなんとか。
今の自分の状態がよくわかってしまっているから、たまに泣いたりするようだ。病気が治ってほしい、うちに帰りたいって。それを聞いて、母も一緒に泣くそう。何もしてあげられないから。励ますって言っても、そんなすぐに死ぬわけじゃないよ、なんて言われて勇気出る人いないもんね。私も、目の前で父が泣いたら耐えられずに一緒に泣くと思う。
今日、大きくなった私の娘、父にとっての初孫を見て、嬉しそうにしてた。もう9㎏近い娘を、父は抱っこすることはできない。けど、お腹に乗せて優しく撫でてくれた。娘は人見知りがピークですぐにぐずってしまったけど。
去年の今頃、父の足が悪くなったから病院行くように言ってあげて、と母からメールをもらっていた。すぐに電話して病院行くよう伝えたけど、大丈夫だから、心配ないからって言って聞いてくれなかった父。ほんとは、接骨院や整形外科クリニックにはこっそり行ってたらしいけど。肺がんの骨転移だとは先生も本人も思いもよらず、そのまま3ヶ月過ぎて、ようやく病気が見つかったとたんに即入院、帰ってこれなくなった。
ずっとできなかった子どもができて、これからは頻繁に帰省もできるし、娘とたくさん遊んでもらおうと思ってたのに。娘ができて嬉しいはずなのに、父が健康でいてくれたらもっと幸せなのにって考えるとやるせなくなる。
いつまで会えるかわからないけど、会えるうちにできるだけ会って、たくさん話してたくさん笑って手を握って、一緒の時間を過ごしたいと思う。