乳と卵

乳と卵

posted with amazlet on 08.03.04

川上 未映子
文藝春秋 (2008/02/22)
売り上げランキング: 80

おすすめ度の平均:

不思議な文章ですが
おもしろかった
消化しにくい文章

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言わずとしれた第138回芥川賞受賞作。

最初、口語体でずらずらと何行も続く文章にとまどったけど、少し読み進めるうちに物語の風景というか、登場人物の心の中やそれを取り巻く社会的・経済的環境がびっくりするほど色濃く浮き彫りになって、すぐに読み終えた。

「普通におもしろい」と感じていただけなのに、クライマックスにある“卵”が出てくる親子の歪んだ触れ合いでは「この話、すごい！」という思いに変わった。ただ、この作品は、男の人には到底わからない世界かも。。。詳しくは言いません、これから読む人のために。

ところで、結局どうして巻子が豊胸手術に固執するのかがわかりづらかったのは、わたしの洞察力が鈍いからでしょうか……。個人的には、「どうして豊胸手術なんかを…」や「最終的に手術したのか…」は外の話で、物語の核心とはずれてるのだと見解したのだけど、これでよいのかな。